17sai/dendrocacalia
気持ちよさを知る前の ただただ促されてたような
目をやる場所がわからなかったころ
もう大嫌いだったよ
いつまでたっても無職のまんま
灰色によどんだタタミの部屋と
ちらばる雑学
外はのびてちぎれそうな夏で
君は怠惰の空気で部屋いっぱいにし
夏を拒んだ
夜が来ても 部屋から出なかったよ
昼になっても いっぽも出ないね
ただ ただ ケムリをはいて
私とおんなじためいきついてた
『19の頃はよかった』なんて
私に暗示をかけたけど
欠けてしまったのはそんな簡単な理由じゃないってわかってたよ
それでも君はどうしようもないくらい無職で
私は君が夏にとけたり、蒸発してしまう気がして
何度か泣いたけど
書いたり考えたことは 全部捨てた
もう大嫌いだったよ
でも いまときどき思い出すのは
ヘビみたいなあの目と とけかけのへや
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