誰にも読まれる事の無かった詩/月山一天
 
瞬き一つで
百の竜巻と
千の地震が起きるくらい
長いあなたのまつげ
震わせて
百万の津波と
いちおくの洪水
引き起こす涙で

「心配になるくらい好きだった、たまに
それしか出来なくなるんじゃないかってぐらい。」

私以外
私以外
何をあげれば良かったの?

とその
いない人を
見つめる目に
色は無いし
悲しみばかり
見えてると
思った

黒い瞳はそういえば
いつも悲しそうで
青い目や緑の目に写る
世界はいつも明るいのだろうか

そんな
どうでも良い事すら
話せない僕に

「私の事、バカな詩に書くんじゃないわよ。」

と言って
あなた
少し
笑った

いや、
笑ったと
僕は思ったので

僕は
この
薄れきった
夏の夜を

そう憶えておこうと決めた



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