希少を謳う/蝶番 灯
地球はもうかれこれ数十億歳で
あたしは未だ 齢十二歳
誰も憶えてない位永い 永い惑星の歴史に比べたら
あたしの歴史なんてずっと 浅い 浅い
其んなもので誰かの胸に
自分と云う存在を刻み付けて貰おうだなんて
未だちょっと 慾が深過ぎたかしら
誰も”あたしが生存する事が許されるか”保証してくれないのなら
最後はもう あたしが保証する他無い
此の星に息衝く生命なんて物は
数えても足りない位溢れているわ
例えばあたしが其処から消去されたとしよう
其れは在り過ぎる数字が一個消える程だけど
此の時貴方は 果たして 其れ
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