衝撃のあとに/紫音
9・11
あのときの衝撃をボクは忘れない
あのとき
ボク
は
牢獄から開放されたように
とてもスッキリした
そこに人がいて
大勢死んで
そんなことは想像しなかった
ただ
そう
何か壮大な幕引きの
ようにまるで
終わりのない劇
に終幕があった
と
不謹慎な誘惑だ
ボクは
悲しくなかった
涙が出なかった
真珠湾の日の
作家たちのように喝采は
しなかったけれど
この現実の希薄
それは
衝撃だった
戦争とか差別とか
まるで身近に感じない
そのことの意味は
あの日の衝撃
ニュースキャスターの
通り一辺倒の
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