逃げる事と日本人/田中教平
近くのお寺さんを巡ってその解説文を読んでいると
このお寺は「駆け込み寺」であった、とか
「縁切り寺」であったと記載されていた。
その、時代は翻って分からぬが
家庭内で例えば旦那が女房に暴力をふるったり
執拗に責めたりした際には、耐えられぬから
そのお寺がセーフティネットとなって、駆け込んで
事情を訴えれば、その身柄を保護してやるといった事が
じっさい、行われてきた歴史があるのである。
又、江戸時代の人情本を
その言葉の訳もあまり分からないまま読みすすめてゆくと
ある僧侶が、恋愛関係に陥って
じっさい、体裁を保てなくなると
そこで「では、念者になろう」と決心し
妻帯も
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