苦悩は誰のものか??貧困・医療・詩をめぐる構造/atsuchan69
 

近代以降、「狂気と天才」を結びつける語りは繰り返されてきた。精神的苦悩を芸術の源泉とみなす想像力は、日本の詩壇にも影響を与えている。苦しみは深いほど創造に近づく??その図式は今もどこかで生きている。

しかし、精神的苦悩の背後には、しばしば貧困がある。

不安定な労働、孤立、住居の不安、債務。経済的困窮は精神状態に直接的な影響を及ぼす。だが制度の中では、それは「症状」として扱われやすい。苦悩は診断名に置き換えられ、医療の対象となる。

精神医療の現場では、診断、投薬、入院、リハビリという流れが制度化されている。その背後には製薬企業の研究資金や市場構造が存在する。薬は多くの人を支えて
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