moon/そらの珊瑚
 


夫がmoon探査のために旅立つまで
ふたりのかねてからの夢が叶うだろうか
居住地に住む数は限られており
人工授精権利に当たる確率は至極低い

もし月がわたしたちにとって住める環境ならば
いずれその星に移住して
あたりまえのように
こどもを持てる日が来るかもしれない

無事に帰ってきてね

ぶ厚い窓の向こうは見慣れた赤い砂嵐だった
命は藻屑
目を閉じて
見たことのない孤独な月を脳裏に思い浮かべた
それが正解がどうかはわからない
知っているはずのない星だけれど
わたしは確かに知っている

おかえりなさい






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