一日半/田中教平
、ユウスケがユウスケ自身に問いかけているような口調だった。
又、暫し、二人は無言であった。同じデスクで、一方は日記に近い、今日のあらましを書き、一方は出来たばかりの小説の直しを行っていた。
ユウスケが呟いた。
「とにかく、小説らしい小説が一番いけない。芥川龍之介では歯車、あれば一番良い」
言いつつ、ユウスケは芥川龍之介の「歯車」
の筋を追ってみようと、後ろの書庫を探ったが、無かった。
カナが黙っていた。カナは実はユウスケの持っている文庫や書籍は全部把握していて、その「歯車」が収められている文庫は、ちゃっかり、今、隠れて読んでいたのであった。
「昼食は、ねぇ、ご飯でいい?」
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