一日半/田中教平
腰を痛めていたカナは先日、自暴自棄になって、大根一本とキャベツ一玉を含んだ買い物袋を肩にさげて、近くスーパーマーケットから帰ってきた。やはり悪かったのか、今度は脚を痛めた。腰と同じ右側であった。
夫のユウスケといえば、この日、朝から鬱っ気が酷かった。既に起きていたカナに訴えて、本日は通所している事業所への出勤を控える事にした。ユウスケは焦り、その分だけ家事をこなした。次第に疲弊してきた。
「体調が悪いという割には鼻歌が出るんだね」
そう、カナに告げられ、ユウスケはムッとした。体調が悪いからこそ鼻歌が出るのだと言いたかった。
ユウスケの頭の中を占めていたものは、ザ・クロマニ
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