二月の初め/田中教平
 
ユウスケは禁煙補助薬を服用していたが、決まりとして最初の一週間は煙草を喫ってもいい事になっている。
 コンコン、とベランダの硝子戸を指で小突く音が聞こえた。カナであった。ユウスケは「おかえり」の口の形をして伝えようとしているカナに、手の指で丸を作って見せて
「ただいま」
と告げた。

 昼の十二時になり、ふたり、昼食を摂る事にした。生ラーメンだった。カナが湯を沸かし調理まで全部行った。ユウスケの前に、ラーメンが運ばれてきた。美味しそうだと思った。しかし、油。スープの表面の油の事をユウスケは気にかけた。ユウスケはカナに訊いた。
「カナちゃん、この油は精製油っていうのかな?」
 カナは応
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