二月の初め/田中教平
二月の初め
ユウスケは統合失調症である。耳は、いいや、眼さえ信用ならないとユウスケ自身は考えていた。思考さえ信用に値しない。というか、症状が酷いときは考える事もできず、グッタリしてしまう。浴室に入って、空調の音と水の跳ねる音が混じると、決まってとおく男、女、男児、老婆と様々な声、幻聴が聞こえてくる。本当に不快だったが、文句を頭に浮かべると、それに声達が反応してくるので、流した。現在の薬に落ち着くまで、過集中になってしまう事も目立った。夜な夜な床をひたすら拭いていた事がある。
現在、ユウスケが就いているのは、福祉就労で就労継続支援事業所だった。一日、四時間の
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