咲子?/たま
 
で、次郎さんの朗読会のときは、咲子に誘われて付いて行っただけだった。その次郎さんの詩はちょっとわかったような気がしたけれど、すぐに忘れてしまったから、やはり、詩を読んでなにかしらのおもいを膨らませることのできる人間ではないのだとおもう。
ただ、咲子の詩となると話しはべつだ。
「見たい?」
 とりあえずわたしのシナリオを見せてからでないと、咲子の詩は見せてもらえないような気がした。
「うん」
「じゃあ、ちょっとだけだよ」
 こたつの上のノートブックをくるりと回して咲子の正面に向ける。
「わっ! 縦書きなの? すごい。ね、これってワードでしょう? ん、あたしもパソコンほしいなあ」
 デ
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