咲子?/たま
、ほんとに? じゃあ、グッド・タイミングか」
「ん、……でもね、姉にはナイショよ。あたしはまだ、敦子とこに居ることにしてるから」
「ナイショって、いつまで?」
「……わかんないでしょ、そんなの……」
それを決めるのはわたしだと気づかなかったのだ。
「あっちゃんは、来年卒業だろ?」
「ん、そうよ」
「就職は?」
「横浜だって」
「じゃあ、戸越から通えるね」
戸越にはわたしの勤める印刷会社があって、敦子のマンションはすぐ近くだった。咲子が上京したころ、わたしの会社ではパート社員を募集していた。職種は校正係というもので、咲子は迷わず面接を受けたのだという。募集人員一名に七名の応募
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