幾春別/伊藤透雪
灯がともる、
ホラ灯がともる シャンコ、シャンコ
シャンコ 、シャシャンがシャン
手拍子揃えてシャシャンがシャンーー
踊り終えて、子どもたちはお菓子をもらって
帰っていく。
ここから大人の本番だ。父の太鼓に合わせて、
揃いの浴衣でおじさん、おばさんたちが踊り
始めた。
ーーハァー北海名物、ハ、ドウシタドシタ、
数々コラあれどヨー オラがナァー
オラが国サのコリャ、
ソレサナー盆踊りヨー
自分らの提灯に火を灯し、町外れの我が家
に向かうと、道路が真っ暗だ。
街灯が少なく、町中の店はもう閉めて
しまっているのだ。
コスモスやアネモネが溢れ、植えられた
ダリアが咲く頃、工場の隣の丘は芝が
みっちり生えていて、寝転がるにはいい
具合だ。
トンボが青空いっぱいに飛んでいるのを、
飽きずに眺めていたら、カラスがたくさん
飛んで来た。向かいの山のお寺の方へ飛ん
でいく。
空が茜色になったので、工場へ帰る時間だ。
風が吹くと寒くなり始めた。
ススキがザアッと鳴った。
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