ゾウさんとキリンさん/後期
 
長すぎる」が絶妙に釣り合い、意味のない均衡が生まれる。
観客はそれを「仲良し」と呼ぶ。

しばらくして二頭は気づく。
困りごとは解決しなくても、共有はできる。
長すぎる鼻は、長すぎる首に話を聞いてもらえる。
長すぎる首は、長すぎる鼻に見下ろされない。

その瞬間、動物園の説明板が少し長くなる。
「本動物は進化の結果、やや過剰な器官を有しますが、
本人たちはそれなりに折り合いをつけています」

ゾウは鼻を一巻き減らし、キリンは首をほんの少しだけ縮める。
誰にも分からない程度に。
分からない程度が、ちょうどいい。

世界は今日も、少しだけ無駄が多い。
そしてその無駄こそが、なぜか一番よく機能している。
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