雪子/月乃 猫
母親の伝授で
夏の氷に重宝がられた
ある夜
言葉も残さず
母親がいなくなった日、
求めるように
街をさまよい
その悲しみを 路傍におきざる
雪の女に
約束を破った、と父は自虐の想いに
涙を酒にかえる日で、子を抱きしめ
母にふたたび会おうと
雪の 山里の 小屋にすみ
雪の原をあるく 父の姿が
氷の棘となり、滲む何かが
少女の心を暗く染める
母は、どこかでいつも
舞う雪のなかにいて
私たちをみている
父は、それを知らずにいる
―― お父さん、大丈夫だよ
願いは、何回したって
いいんだって、
今宵も
瞳をとじ
遠く白銀の山のふもと
いつか 重さを失った雪のあたしは、
雪の華の中に 母や父と暮らす
そんな夢をみる
そして それは・・・
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