脚注/後期
病院で渡された書類を、
私は椅子に腰掛けて読んでいた。
本文は簡潔で、
氏名、生年月日、
必要事項だけが並んでいる。
安心できる文章だった。
ところが、
下の方に小さな数字が付いているのに気づいた。
※1、※2、※3
それぞれに説明があり、
どれも、もっともらしい。
しかし、
読み返すたびに
説明の内容が微妙に変わる。
訂正印は押されていない。
それでも誰も気にしない。
隣に座っていた人も、
同じ書類を読んでいた。
だが、
彼の紙に付いている番号は
私のものと一致しなかった。
受付で聞こうとしたが、
窓口の人は
脚注だけを指差して
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)