すすき野原の物語(灰色の影と風)/板谷みきょう
れ、
恐ろしい「鬼」という名を与えられていきました。
影は、自分に与えられたそのおぞましい名を、悲しむでもなく受け入れました。
名を付けられるということは、その役割を背負わされるということです。
鬼と呼ばれた影は、それからも黙々と、
村人が捨て続ける「本当の心」を拾い、数え続けました。
野原の端では、与一が植えたジャガタラの芽が、
その影の足音を聞きながら、土の下で静かに、けれど力強く、
何かを吸い込んで大きくなろうとしていました。
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