すすき野原の物語(与一と狐)/板谷みきょう
組み、遠巻きに彼を眺めた。
「欲に目がくらんで村を出た罰だ。」
「あんなガラクタ、火に焚べるくらいしか使い道がねぇ。」
ひそひそと交わされる毒のような言葉。
与一はそれらをすべて聞き流すかのように、ただ深く笠を被り、
一歩、また一歩と、村はずれの稲荷神社を目指した。
神社は、すでに死んでいた。
屋根は腐り、鳥居は色あせ、拝殿の中には蜘蛛の巣が「神」の代わりに座っている。
与一は、その荒れ果てた社の前に荷車を止めると、深く、長い溜息を吐いた。
そして、懐から、大切に守り続けてきた「一握りの塊」を取り出した。
それは、ゴツゴツとした石ころのような、土色の塊だった
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(1)