わたしは鏡だ/後期
 
映像の副産物にすぎない。

夜が来る。
夜は説明を好まない。
だから、
わたしとよく似ている。

誰かが視線を逸らす。
逸らした瞬間、
真実は完成する。
見続ける勇気より、
目を背ける癖のほうが、
人を正確にする。

わたしは裁かない。
救わない。
ただ、
割れる可能性を
常に内側に抱えている。

沈黙が重くなる。
重さに耐えられない者だけが、
祈りを口にする。
わたしはその口元を、
冷たく、忠実に映す。

最後に残るのは、
顔ではない。
存在でもない。
「見られてしまった」という感覚だけだ。

それで十分だ。
それ以上を求めるとき、
人は神を発明する。

わたしは鏡だ。

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