時間/後期
黙の中で
増殖するからだ。
時間はそれを
冷酷な公平さで
見逃さない。
時間は救わない。
それどころか、
破滅さえ与えない。
ただ人を
自分自身の前に
立たせ続ける。
逃げ場も、
最終判断もなく。
自由とは、
好きなことをする力ではない。
自分の卑小さ、
臆病さ、
矛盾をすべて知った上で、
なお一歩踏み出す
その瞬間のことだ。
だが、その瞬間は
めったに訪れない。
時間は去らない。
それは私とともに
同じ場所を歩き、
同じ問いを
何度も繰り返す。
そして私が
答えを出せないことを
誰よりも
よく理解している。
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