初春の訪れ/白嶺春
 
身近な人になればなるほど
その人のことが信頼できなくなっていく

二十二歳
新しい恋人ができた

「話してくれてありがとう、あなたの事が知れて嬉しかった」

あなたのその言葉でそれに気がついた

心の中に子供の私がいる
身近だった人が離れていくことが当たり前で
気づけば人に期待することをやめていた

子供の私を可愛がって欲しくて
いつも綺麗事を並べていた

大学を卒業したら自立しないと
そんな言葉と自分の気持ちが相反する
子供の私はひとりで立てない

私の綺麗事はあなたに筒抜けで
一人でおままごとをしていた私をあなたは連れ出した

少しあなたを信頼してみる
私にとっては大きな公園
滑り台を滑りあなたの胸へ
あれ、案外受け止めてくれるのね

こういうことが積み重なって居場所ができていくのかな
いつかはこの公園を走り回りたい

そうか、こうやって自立していくんだ

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