血から血へ/由比良 倖
新しい物語を紡げるといいですね
過去もなく、未来もなく
私の見ている壁と、あなたの壁が
奇跡的に一致するくらいにまで
永遠に言葉で語り合えるといいですね
私は旋律と魂の運び屋
あなたの物語を死ぬ程待ち焦がれ
今もここでラブレターを書き
言葉で、世界に近付く為に
努力をしています
あなたに出会う為に
お互いの空の色が孤独に溶け合うまで
私は言葉を書き続けます
苦しみについて、喜びについて、
現在時刻6:54の、
田舎の私の朝焼けについて
山にかかる、ぼんやりとした靄について
孤独同士が孤独を深め
それでも私は人間だったと
消えゆく前に記録しながら
例えば今日の重力について
あなたに語れる日を
楽しみにしています
こんな私ですが、いつかのあなたへ
どうかよろしくお願いします
旋律としての私から、名前も知らないあなたへの
細胞間の手紙として
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