うた/
石川和広
窓のお外は夕景
意味なき歌が流れる
書くことは一度死ぬこと
それを生きること
またたいた瞬間
カラスが鳴いた
時計がうめいている
時間が泣いている
もう廃人かもしれないと思う僕は
僕は途方もない暗黒からたちのぼるタバコの煙
みたいなもので
あやふやな実在である僕は
夕食を待っている形ある矛盾
窓のお外は夕景
意味なき歌が流れる
書くことは一度死ぬこと
それを生きること
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