蒼の季節/
落合朱美
読み止しの本のページに蒼といふ字をころがせば梅雨の来たりぬ
カフェで待つ我を嘲笑いしストリートただいたづらに人の行き交ふ
雨音がやけに心に響く夜 広すぎる部屋頼りなき我
泣かぬ空みあげて百のうらみごとアガパンサスに聞かせし小昼
哀しみは蒼き流れの奥底に身をひそめしのち悪意に変わる
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