皿だけのサラダ/ベンジャミン
 
四人家族の
四角いテーブルには
それぞれの席がきめられていたけれど
うまることはほとんどなかった

今はもう
四角いテーブルもなくて
かわりに置かれた
まるいテーブルの端っこで
食べ残されたプチトマトのように
ぽつんとひとり

セロリもない
レタスもない
アスパラもない

まるいテーブルの上

目を閉じれば
山盛りのサラダが思い浮かぶけれど
それを
取り分ける人がいない

食べた覚えもないのに
目を開けると
いつも皿だけが残されていて
フォークでつつくと

コツンと淋しい音がする

   
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