蒼いカノン/秋葉竹
 
んて直視なんてしなくていいよ
過去の悲しみだけが
心にも頭にも
痛みをあたえるのだもの
マジで?
ほんとうなんて
しらねぇよ

終わらない月面の謎に手を伸ばして
過去の罪深さを問いたいのだけれども
時がゆくことだけが
悲しみを癒す手段だなんて
くだらない自慢みたいに
瞳をキラキラ煌めかせた
君を
慕うよ

生きることの阿呆らしさや苛立ちや
死ねば楽になれる咆哮を胸に押さえ込んで

蒼いカノンを奏でる君の横顔に
かつてこころの深いところまで癒された
命の七色の虹色を
こころの火の粉のような気持ちまで
くつがえすようなさまざまな
虚空の夢をあつらえたというのなら

その
最後の空っぽみたいな希望を
わたしが今度こそ
いだいて深い海の底に君を連れてゆき
静かに静かに
愛し合いたい






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