ネガティブ・ケイパビリティについて/由比良 倖
 
ティブ・ケイパビリティ」という言葉が書かれていたそうだ。
 そのことをぼんやりと覚えていて、忘れかけていたんだけど、この間『しあわせは食べて寝て待て』という漫画をぱらぱら読んでいたら、いきなりこの「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉が出てきて、それで谷川さんが言っていたのとは大分違う説明がなされていたので、へえ、と思った。主人公の友達が、お店でおいしいとろろ汁を食べながら(ここの台詞はほぼ全文引用します、すみません)、「私、会社で嫌なことがあると、これが食べたくなるんだよねー。(……)皆の前で怒られたりすると、もう、消えてなくなりたくなってしまって。だから、このとろろの儀式は癒やしではなくて
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