くだんのために/あらい
 
選ばれる、にぶい姿態はすべて響いていた。あおいかべに消せない嶌影(その犠牲のうえに。(その代償に架けて。

 賭して惨めな格好が畫かれる常々は末路など啓かれず そんなものだとて石を拾っては、お花畑にみえるならそれでいい。用途も要点もない幼稚な色彩にありつづける

  汝、しかいがふみしめると――なにもかもわすれていく
  ステンドグラスの焦土ですかねぇ
  信号も交差点も三途の川ばかしの綿菓子が熔けて痙攣した
  ざわついた骨が黙劇の訪れ、どうせ詩を唱えているばかりだ

かくしてこの初秋のことである。
不規則なある物のように、不条理にある者のように
――わたくしは死んだのです
[次のページ]
戻る   Point(2)