くだんのために/あらい
 
片に備わる露骨な妄想だ

  ダイヤルを回し/新しいラインにのせると
 ――ほらね 柳の下のような気がする予。
 :滅びた後も存在すると考えられることも多い
   未知とはただただ かぎりなくにせもの――

 言いかけた言葉が強引に仔羊を柘榴に戻し、塞がれた風穴などまっすぐにモーテルへ続き、迂闊にもがれたのだから仕方ない。癇癪を熾した、たましい
 韜晦(とうかい)のランタンに近づくと黒く 変色していた蝴蝶もこちらは、複雑な爪痕をやどした塒に 薄化粧した数珠はしめり、袖に隠して置いた循環。あげつらうインクのしみに正午を打つもよおし、艶やかな鳩時計があればいい鴨。スマホの奥でよだ
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