ひととおりの眦と/あらい
りと漂っている静寂ほど滑り込んでは 足音も立てずにやってきた大海原があがってくる
わたしとわがままと、腕時計は招かれざる客ですから そういえば、(ひどくはげしい風をずるずるとあびる)繊細に密封した仄影だ、海に覆われてみっともない のりしろと生臭い匂いが睨んでいた
(おやすみ)無邪気によい羊の楽団。見惚れたり憎んだり 乱反射して歩くのが好きだったあなたも。またよわかった存在なのですから わたしひとり、無意味に退屈になるのです
(わらうと ちいさいじが、のみこめないから あくまでぎぜんしゃはこたえなかった)
だんぜんしあわせだった。まだひとつのいのちに 陰影が逃避した花のそのイシの
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