改稿「星を見てるんだ」/泡沫の僕
 
貴方と私は
同じ痛みを共有している。
離れていても
貴方と私だけは同一。
そう信じていたの。

「星を見てるんだ」
窓一つない、頭上にあるのは唸る換気扇だけ。
そんな浴室で貴方はそう言った。

ーーそれは断絶だった。

ごめんなさい。
ホントは自分しかいなかったみたい。
貴方の苦しみは貴方だけのものだった。
私には私の苦しみしかなかった。
貴方には生まれる前から消失した光しかなかったのに。

寄り添えなかった事は
罪ではないかもしれないけど、
私が貴方で無かったことは、
私への罰でした。
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