開封/ただのみきや
 
手紙は裸の恋を覆うまじない
歴史は恨みつらみの貝塚だ
その上に敷物を広げ厚化粧
春には花見で鬼女遠来
冬はクリスマス聖女万歳
呪いしたため恋したため
折って飾ったあねさま人形
ああ帯をほどいてみましょうか
着物ぬがせて見せましょうか
平和の名をもって呪いましょうか
自由の名をもって 正義の名をもって
千羽鶴で呪いましょうか
結構よ滑稽よ亀甲縛りのさらし者よ!
わたしはわたしの恋でいい
呪いしたため恋したため
折って飾ってあねさま人形
橙色の着物に黒い帯コンクリートに打ち付けられて
世界は燃えているわたしは湿気ている
あねさま方叫ぶ叫ぶ無い口ふるわせて絶叫する
固く縫われたはずなのに
あねさま狂って紙吹雪
むくろ覆って降り積もれ
五色の風花 忘我の花びら
痴れもの触れもの無礼もの
甘くもだえよ乱れよ真水


                    (2025年11月29日)








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