他人の自画像/イオン
 
貧しく
その貧しさがエネルギーとなるサイクルから
神がもう十分だと思って召し上げたのだろう

彼の作品は総じて大きい
フィクションにリアリティを出すために
緻密に描きたかったのだろう
でもA4サイズの大きさで
机に仕舞って哀しくなる度に取り出せる
私事の大きさであれば売れたと思うが
俗物的な生き方を拒んだからこそ
描けた作品ばかりだ

私は彼の絵を見て思う
「あいつの自画像」だとは思わず
「自分の自画像」だと思える側で良かった
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