触れてしまわぬように/
泡沫の僕
背中に 暖かな朝の陽射しを感じながら、
君の隣に座っていたのは なぜだったろう。
僕は君に触れてしまわぬように、
万が一にも触れて 傷つけてしまわぬように、
身体を折りたたんで 縮こまった。
僕は どんな風に見えるだろう。
触れてもいない温度が、
二の腕を痺れさせた。
交わしてもいない言葉が、
喉奥でこだまして ヒリつかせた。
触れてしまわぬように、
それだけが 僕の理だった。
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