おつかれさまの時間/百(ももと読みます)
 
の職場だ。わり与えられたスペースに個人用のパーソナルコンピュータがあって、めいめいでお昼ごはんを食べている。内気な雰囲気が心地よく、ぼくは昼食をとらずにイヤマフをつけて読書している。

 雑念から始発した希望に追い風は吹かなくて。ぼくは囚われた自分へとゆっくりと手錠をかけてもて遊ぶようなことを随分と長くしていたのだな。荒波に身を任せることは思いのほか簡単なのだ。その波には、まるで実態がないのだから。

 静けさのある穏やかな波、いまはひとについて、そう考えている。



(おつかれさまの時間)

 あどけない可愛らしさがある。それを障がいだと感じる術をぼくはもたない。ここにい
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