it/月乃 猫
たちは、地雷のような箱罠も
防護服の重さに耐える通学も
もうせずにすむと 喜び、
大人たちも
フェイスガード付きヘルメットなしの外出に
心より安堵した
絶滅危惧も
それとの共生も
罵倒にさらされ、暮らしの安寧の考慮は
処分の最善の道に集約された
それは
ひとつ ひとつ
数えるように
排除され 今を迎えては、
もう里より 森より 消し去られた
夏の暑さの因果と
真実の理由のはざまで、
繰り返されることのないように、
道をてらす
ふたたび 銃声が支配する
殺戮の森が
やってこないように
眼をさます
戻る 編 削 Point(9)