通り雨と(詩人)/こしごえ
 
いけないかしら
なにもかもを言ってしまう
ということは。
ポツリ ポツリポツリと雨が
じめんでひとりごと
どこからくるのか
しびれたあたまに すきま風
雲は虚空で身を焼いて
あの子のこころは はなだ色。
まばらに散った
雲の空をみあげると
歴史の奥で魂の化石が
キラキララと
うたを歌っていた。
ほかのせいにして
青い暗さに響くのは
空を嘘つきにしてしまう。
いけないかしら
なにもかもを言ってしまう




          
個人サイト「As H System」掲載

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