ぼくのお城としての書きもの/百(ももと読みます)
 
人について想う。



 ひとりひとりのいるセカイに孤独なんてどこにあるのだろう。アパートメントの壁の向こうにひとがいて、鳥もさなぎも亀も仔犬もみんなみんな生きている。

 子どもを産んでもそうでなくとも、繋がる命がイブとして存在しているセカイがここだよ、そこに楽園があるんだよ。

 倖せだねって煙草をふかすぼくの知らなくなった恋人はきっとどこかで煙草すっている。ぼくは煙りを巻いて、飛びたつ気分で横になる。セミダブルのお布団は、どう考えてもひとり分だ。

 ぼくのお城としての書きもの。いつかお城をでて、神殿の柱となれるよう精進してゆきたいこころ。

 ゆっくりとゆっくりと目を閉じる。
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