渡り損ね 蒼風薫/梅昆布茶2
係は続いていました
私たちは孤独でした
わたしにはちゃんと家族はいました
おばあさんには家族はいません
けれどわたしは孤独を囲っていましたから
(それについてはここでは何も言いません)
(そしておばあさんもおなじ身の上なのでした)
・・・錯乱・・・
初めて知りました
おばあさんは突然に
わたしの見ている前で窓から空へ飛び立ったのです
念願の雀になった・・・・・
おばあさんは 赤の他人のわたしに看取られてその
人としての命のおしまいを選びました
今わたしを見ると話しかけるんです
紅茶はお好きですか
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