誘い 蒼風薫/梅昆布茶2
屋へ戻ると
その小川を忘れ去る婿ぎしで本当は哀しみの雨の止むことがない
こちらはといえば夢に慣れなはった現実が今も夜明けを待っているそれでも
小川が濁った日をわたしは見たことがないとやがて閉じられる秋が
雲雀の翼が目覚めた日空ゆく雲は祝福射手座を明け渡した
囀る声も高らかに大きな舞台を謳歌する
揺らぐ柳の影は濃く晒されその絵だわ優しく枝垂れる
薄桃色の花吹雪に霞む路を帰路イカバーのつけられたランドセルが行き来するそんな頃が一番良かったと
ため息をついている老婆が独りとこ冬の山奥に棲み過去をもろんでいる
セピアとなり 角の折れ曲がった写真たちに囲まれて
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)