野葡萄の森には  もっぷ/梅昆布茶2
 
瓦のアーチを構えた羊羹にも

思えてくる
冬とはなんて暖かいのだろう

再び廻って来た1季
その手前にそういえば

野葡萄森があったはず

女学生たちが笑っていた声が

あまりにも無防備に響いていて

うららかに秋の終わりを彩っていた過日

偽りなくそれはわたしだった
(いつから食べていなかったのか)

雪だろうか白いものが掌から

サラサラと  サラサラと

とても乾いた雪なのだろうか

わたしは今正気だろうか

死んで見たいと思ってはいたが








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