平穏/唐草フウ
ああ、もうすぐ
あなたの誕生日
秋だというのを
忘れそうだった
忘れてないけど
わたしはと言えば
くちびるを噛んで腫らしてる
ジグソーパズルは吊リ上がり
笑顔も汚れてしまったかもね
どうでもいい情報
囲み罫に嵌まったところで
もう時計はひだりに旋回しないし
蜜は粉砕し同じ花には戻れない
道端に掃くほどのハートのエース
踏んで歩く肉刺を作った指の足
誰も識ることない発信
出会うもっと、もっと前に
あなたの知らない
わたしが知ってる
生まれた日のこと
地球が素敵だったこと
いつか折り返して
お互いがまた佇んでいたらいい
ここまできた地上で
そう思う
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