新約聖書、司馬遼太郎、宮崎駿/喫茶大島
うだ。このことからも、日本が司馬遼太郎でできている、というのは妄想とは言えない。
しかし司馬遼太郎への考察をするには、おれはすこし若い。おれの考察の対象は宮崎駿であり、それと新約聖書の関係と言えると思う。
宮崎駿はしかし、いまの(2025年)子どもたちからは、どこかキラわれている印象。以前書店で、「あるこーあるこーわたしはーげんきじゃなーい♪」と歌っている女の子がいた。いま40代のおれたちにとっては、宮崎駿は神のような存在ではあったのだが。
しかしその宮崎駿も最新作『君たちはどう生きるか』では、これまでの反戦主義とは違い、明らかに先の大戦への賛成を表明するかのような内容だった。露骨にお金持ちのアニメと言えた。その新約聖書的なキャラクターを描いた宮崎駿の呪縛から逃れたいまのおれたちが歩いているのは、どこか終わりを迎えそうな日本なのである。
戻る 編 削 Point(1)