叙情文芸271投句 蒼風 薫/梅昆布茶2
みは冬かもしれぬ
資源ごみトラックはやがて来るだろう終わりと名乗る冬を集めに
白梅を解く歳時記で意を得て明日を見据えるポンカン終わる
本当の春となる日を待ちながらポンカンぽんかんを剥く残りあと5個
札幌の雪道の凍り状態を訪ねて電話の声が明るい
数日は予報では降る東京のはざかい椅子で泣きそうな冬
泣けば負け掟のありて四季たちは掟を守るために泣くのか
マーケットは春だ春だと張り切ってダウンを着てる私を招く
ふと明日麻1枚のスプリングコートを許す三月の風
一月と二月の並ぶ一枚は資源となりて春現れる
三月に名残の雪が降るようにいたね見えないポンカンにいう
三月と四月の並ぶ一枚に出会ったユベ北風音
3・11あの日の春を覚えてる牛乳お一人様一本の
問題児矜持抱きてスルーせりデパ地下の試食コーナjの誘い
桜花我が手に遠い日が来ると予言もせずに三つ子の夕日
最後には亡骸だった冬雀幼い私の掌の中で
スミレ草君を探してこの町を訪ね訪ねて死んでゆくかな
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