遡行し移動し続ける原光景/
ひだかたけし
りつつ
(両脇の裸電気の薄暗闇に両親の背中肢体、
死体となり背を向け転がり ごろんと)
肉身纏う直前直後の〈私そのもの〉の源頭へと
意識いっぱい拡げ緑色濃く苔生す水の湧き出る台地広がる頂きから
遥か遠く臨む黄土色の台形岩塊の輝き眩めき聳え立つを観た瞬間
何程か全て見通す知覚へと自らの伸び拡がりいくを 、
今に至り忘却の彼方から記憶の走馬灯なるもの
一切一気に過去からの時流を呼び集め
遠近同時にして並び立つ空間と化し
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