全行引用による自伝詩。 04/田中宏輔2
 
裸のランチ』A・Jの例年のパーティ、鮎川信夫訳)

 ナツメヤシは水不足で枯れた。井戸は乾いたうんこと何千もの新聞紙のモザイクであふれている。「ソ連は否定……国務大臣は悲痛に訴える……落とし板は十二時に落とされた。十二時三十分、医師は牡蠣(かき)を食べに外出し、二時に戻って絞首刑になった男の背中を陽気にたたく。『なんと! まだ死んどらんのかね? こりゃ脚をひっぱってやらんといかんようだな。ふぉっふぉっふぉっ。こんなふうにだらだらと窒息してもらうわけにはいかん。大統領に叱られてしまうわい。それに死体運搬車に、生きたままのきみを運び出させるなんてみっともないからね。恥ずかしくて睾丸が落ちてし
[次のページ]
戻る   Point(10)