猫達の花火/guest
んごが生るのはかわせみのせいだって
泣きながら逃げ出したんだ
私の名前を呼んでもくれないすべての人達から
咲かなかった泥中の蕾を抱いて
ゆっくりと闇を沈んでいく
あるいはそれを夢と呼んだりするのだ
もう二度とあなたの顔を見なくていいように
花火は鎮魂の儀式だった
何も知らない人達がじっと仰ぐのは
人の眠りの数
目を覚まさなかった夜の数
あなたの名前を呼んでもいいだろうか
あなたの名前を書いてもいいだろうか
あなたの声を聞いてもいいだろうか?
戻る 編 削 Point(3)