猫達の花火/guest
 
さんまの美しい食べ方に苦心しながら
私は一体何になるつもりもなかった
朝が来たら眠り
夜が来ると起きる

醜いソネットを書き
友達は嘘を吐いた
400円の蝶のブローチ
私には作れないから

歩いても歩いても遠ざかるものが
望まないのに与えられるものが
私を私ではないものへ変えてゆく

まどろむねこたちの夢が見たかった
それなのに私はやっぱり
あなたを探して家を出てしまうのだ
何度だって

あなたは私を見付けてくれないだろ
笑っても泣いてもちっとも振り向かないし
触れることさえないままだ
たぶん一生

死に際何かのせいにしたくなって
雪が降るとりんご
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