再び出逢う人形劇三国志─土曜の午後の記憶/花野誉
る内に、気がついたら、人形劇「三国志」自体にハマっていた。
当時は録画するものが無かったので、家にあるマイク付きのテープレコーダーで、スピーカーにマイクを押し付け、番組を丸ごと録音した。
周りの音が入らないよう、家族に静かにするようお願いし、自分自身も己の呼吸音が入らないよう、息を潜めて録音した。
それでも、色んな音が入ってきたが。
そうやって、苦心して録音したテープから、声優さん達の声を聴き、一度だけ観た映像を頭に浮かべながら、何度も楽しんだ。
高校生になって、同じテニス部のキャプテンが人形劇「三国志」ファンと知り、二人でNHKが販売していたVHSを購入した。
キャプテン
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)